今回は、ディズニーランドを題材にした、松岡圭祐『ミッキーマウスの憂鬱』をご紹介します☆
東京ディズニーランドでアルバイトをすることになった主人公が、ディズニーランドのバックステージで起こった大事件を解決すべく奮闘する、青春お仕事小説です。
この記事を書いている現在は、コロナ禍により東京ディズニーリゾートは臨時休園中ですが、「新型コロナウイルスが終息したら絶対に行く!」と決めている人や、修学旅行で行くことを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか^ ^
東京ディズニーランドに思いを馳せながら、是非読んでみてください♪
基本情報
松岡圭祐『ミッキーマウスの憂鬱』(新潮社2005、新潮文庫2008)
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あらすじ
フリーターである後藤大輔は、ディズニーランドの準社員(アルバイト)として採用され、希望が叶った喜びで胸をふくらませながら初出勤の日を迎えます。
キャラクターを演じたり、演技指導をしたり……と重要な仕事を任されるのではないかと夢見ていた大輔ですが、出勤してすぐに、理想と現実のギャップに愕然とさせられます。
まずは、大輔の仕事が、ディズニーランドに訪れたゲストの目には決して触れることのない地味な裏方だったこと。
そして、出世コースである正社員と準社員の待遇に大きな違いがあること。
大輔の先輩となった準社員たちは、エリートの正社員たちから格下の存在として軽んじられ、現実に打ちのめされながら、与えられた仕事を淡々とこなしているだけなのです。
夢の国であるはずのディズニーランドでの仕事に失望しかけていた大輔ですが、そんな時にバックステージでランドの運営自体を危うくさせるような大事件が起こります。
元々お節介な性格の大輔は、ディズニーランドを守るべく、ゲストの笑顔を守るべく、ド新人アルバイトでありながらも解決に奮闘するのです。
ディズニーランドで働くには?
ディズニーランドで働く従業員(キャスト)になるには、正社員として採用される道と、準社員(アルバイト)に応募される道があります。
正社員になるには、株式会社オリエンタルランドに採用される必要があります。
総合職は四年制大学か大学院を卒業していること、技術職はそれぞれの職種によって理系学部や美術系学部を卒業していることが求められるようです。
採用実績によると東京近郊の難関大学が多くを占めるようなので、ディズニーランドで正社員として働きたい皆さんは普段の勉強を頑張って欲しいです!
また、求める人物像として、現状に満足しないチャレンジ精神を持ち、組織の一員として協働意識を持って、成功するまで粘り強く物事に取り組める人が挙げられるようです。
採用面接でもこのような経験談について聞かれるようなので、採用倍率800倍とも噂される採用試験を突破するためにも、部活動やアルバイトなどで日頃から意識しておくと良さそうです。
詳しいことは、採用情報 | 株式会社オリエンタルランドを確認してください。
なお、準社員は高校生から働くことができ、努力次第で準社員から正社員になる道もあるようです^ ^
また、パレードやショーのダンサーは、オーディションによって募集されているようです!
読書感想文を書こう!
『ミッキーマウスの憂鬱』で読書感想文を書く際におすすめの注目ポイントが3つあります。
小説の醍醐味の一つに「登場人物に感情移入すること」があると思うのですが、小説の前半部分では主人公の大輔に全く感情できないという人も多いのではないでしょうか。
実力も備わっていないのに何にでも首をつっこみたがって、「こんな奴が隣の席に居たら面倒だな……」と思ってしまうほどのキャラクターです^^;
しかし、そんな大輔だからこそ、周りで起きた事件に積極的に関わり、ついには自らの手で解決することが出来るのです。
小説のクライマックス部分では、自分でも気づかないうちに大輔に感情移入して、一緒に爽快感を味わっていたという人も多いはずです。
傍観者になるのではなく、何事も自分の問題として捉えることが出来る力というのは、社会で生きていく上で重要な資質だと思います。
もし、身の回りで起こった出来事に積極的に関わって良かったと思う体験、あるいは積極的に関わることが出来ず後悔した体験などがあれば、それを一緒にまとめてみると良さそうです。
次に、ディズニーランドを取り上げた小説だからこそ読み取ることが出来る、ディズニーランドの歴史の重さです。
小説の中にも出て来るように、ディズニーランドで働くキャストはミッキーマウスに人が入っているなどと決して口にしてはいけないし、ゲストに「いらっしゃいませ」と声を掛けてはいけないそうです。
「夢と魔法の国」を訪れたゲストの魔法がとけてしまわないように、厳格なルールがたくさん設定されているのです。
そのように、ディズニーランドで働くキャストの皆さんが自分たちの仕事を徹底してきたからこそ、ディズニーランドが夢の国として30年以上も愛されてきたのだと思います。
小説のなかでディズニーランドの正社員の人たちは準社員に責任を押し付ける嫌な奴として描かれていますが、事なかれ主義になってしまうのは「ディズニー」という伝統の重さゆえでしょう。
組織の一員として伝統を継承してゆくことの重要さや意義について考察してみると、一段レベルの高い読書感想文が書けそうです。
そして、もし自分がディズニーランドで働くならば?というのを具体的に想像みても面白そうです。
以前に、読書感想文ではないですが、「将来の夢」というテーマでディズニーランドのキャストになる夢を綴った生徒の作文を読んだことがあります。
衣装が可愛い、ゲストを笑顔にしたい……という夢を楽しく読ませてもらいました。
ディズニーランドに行ったことがあるならば、具体的にどのアトラクションやショップで働きたいかを想像し、どんな仕事なのか、どんなやりがいがあるのか、どんなことを頑張りたいかかをまとめると、作文が嫌いな人でも楽しく書くことが出来るのではないでしょうか(^ ^)